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原作もの

法月倫太郎原作のミステリードラマを見た。
原作は未読だがとても楽しみにしていた。

なぜならば、法月倫太郎が〈エラリイ・クイーンマニア〉だから!!

そんなふうに端から二次創作的な目で見てしまっているのであまり大きなことは言えないが
原作と比較しないでの出来栄えとしては・・・わかりにくかった。
面白かったんだけど(特に長谷川博己が和製エラリイにしか見えなくてもう!もう!!!)
原作ものを別の形で表現するには、元になったものを“自分として”どのようにどこを表現したいのかが明確でなければただ入れ物を借りただけでしかなくなる。
今回のドラマはそこまでいい加減ではなかったし、それなりに愛情は感じられたけれど
ここを見せたい、と思わせるようなツボを入れすぎて、要は散漫になってしまったということ。
どこも捨てられなくて、でもキャラも立てたいし、と欲張りすぎでしたね。
創作に関して一番重要で難しいことは〈捨てること〉なのです。
見せたいもの、言いたいことはいくらでも出てくるので
その中から選りすぐって“これ”というものを残すことが表現者としての最後の大仕事。

どんな物語や絵画や音楽でも、豪華絢爛に風呂敷広げればいいというものではないのだ。

たまたま昨日は舞台版の「ガラスの仮面」を前方ど真ん中という絶好の席で観る機会に恵まれたのだが
こちらはもう端折り方、まとめ方、あの膨大でなおかつ未完の大作の中から
どこをどう出してくるかというさじ加減が絶妙でしたね。
記憶に残っているセリフがいくつも出てきたということは
何が読者の心に残ったかを作り手がちゃんと理解しているということだ。
そこを踏まえて、“舞台版”というもうひとつの作品を作っている。


面白かった。あそこ良かったよね。あのシーン、セリフ、忘れられない。
そういうものが残れば原作ありだろうがオリジナルだろうが関係ない。
ちゃんとこちらに伝わればそれはひとつの作品として成立する。
見せかけの話題性やら小ネタ尽くしや豪華キャストでお茶を濁すのは止めて欲しい。
まあ色々オトナの事情があるのかもしれませんがね。


法月さんはキャスト的には申し分ないので、続編も期待したいが
できれば本家エラリイ・クイーンの翻案をやってくれないかなあ。
BBC「シャーロック」くらいガラッと赴き変えてもいいから(骨子は変えないでほしいが)
長谷川博己でエラリイ・・・・・お願いしたいよ〜・・・・
(その時は警視は奥田瑛二ではカッコ良すぎるのでもう少しひからびた感じの人で・・・)
映像化にこれほど恵まれていない作家もいないんじゃないかと思うので
ここは一発、日本発信のEQを!! ぜひ!!


by quilitan | 2016-09-24 11:57 | 雑録 | Trackback | Comments(0)

猫と雑文ときどきお絵描き  


by quilitan
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