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これでいいのか?

観たい番組までの時間つなぎに漫然と見ていたアニメは
舞台はお決まりのファンタジーな異世界で、
魔法や剣で武装した男女混成の一団が魔物と戦っていくというこれまたお決まりの設定だった。
ただその一団はまだまだ見習いか修行中のようなレベルで力も経験もなく
1匹の魔物を倒すのに全員で寄ってたかって向かっていくのである。

それは“なぶり殺し”という表現がぴったり来るものだった。


力が足りないからなおさら、向かってくる相手に対して「とにかく倒せ!」ということなんだろうが
そういう場合は「やらなければやられる」という切実さが伝わらなければ
ただ野蛮で残酷な振る舞いでしかない。
残念ながら、一見ほのぼのした軽い絵面に加えてあまりの平板な見せ方に
“敵に刃を突き立てて命を取る”ことの重さは微塵も感じられなかった。
セリフで言ったってダメなんですよ、こういうのは。
向かってくる相手にただがむしゃらに剣を振るう姿にゾッとしました。
やられちゃった方の魔物にしたってゴム人形に切り傷が付いたような状態で
痛みもへったくれもありゃしないし、断末魔もおざなりだし
見習いどもが初めての戦闘で心を痛めているような様子がまったく伝わってこない。
見ているものに伝わらないという時点で作品としては致命的。
何がやりたいの?と聞きたいくらい。

たかがアニメ、とはいえない。
絵だけ可愛くて動いてりゃいいってもんじゃない。


まあ私はもう見ることはないけど、ラノベ原作のアニメなので人気は出るのかな。
あれでは「ちょっと人を刺してみたかった」という愚か者が現れるのも頷ける。


そのあとの「Fate/zero」はもっとずっと血まみれの地獄絵図だったけど
作品としての格が違うなとしみじみ思いました。
by quilitan | 2016-01-24 00:02 | 考える | Trackback | Comments(0)

猫と雑文ときどきお絵描き  


by quilitan
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