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他人事じゃない

先日友人と渋谷のユーロスペースで映画を観た時のこと。
最後列に座っていたのだが、上映が終わって場内が明るくなるかならないかのうちに
扉のあたりで大きな音がした。
客席から扉の間は狭いのだがそこに階段がある(けっこう段差がキツイ)ので、
誰が転けたかな、と気楽に考えて外に出ようと思ったら・・・・・

階段に老婦人が倒れたままになっている!!

どうりで狭いとはいえ出るのに手間取っていると思った。
倒れている人を跨がないと出られないからね。


そういえば転んだ音はしたが、その後の音がしなかったことに今さら気付く。
見れば鼻血が出ていて眼も虚ろ。
3時間近い映画の後、薄暗がりで出ようとして階段から転げたらしい。
劇場の人が救急車を呼んで、到着するまで友人ともう一人傍にいた女性が
血を拭き取りながら手を握ってずっと声かけしていた。

あの妙ちきりんな映画を、けっこうなご年配で一人で見に来るというのは
よほど映画好きなんだろう。
かくいう自分らもいつそういう立場にならないとも限らないお年頃よね、と話しながら
たとえ声かけくらいしかできなくても、それをするかしないかの差は大きいのだな、と
友人の行動に感服した次第であります。


そして、今日。
お昼時に漫然と窓の外を見ていたら、近所のおばさん(母より年下)が
杖をつきながらよろよろ歩いているのが見えた。
いつも足もと危なっかしげに歩いている人なのだが何だかよろけ具合が大きい。
そのうち道沿いの家の塀に近づくので、寄りかかって休憩するんだろうと思ったら
そのまま崩れてしまった。

すわ!と家を飛び出したらちょうど前の家の旦那さんも同時に駆けつけてくれたので
一緒に抱えて自宅まで送っていってとりあえず落着ではあった。
でも真っ昼間、普通はあまり人の眼がない時間帯。
なんというか・・・・「こういうこと」は目の当たりにするとけっこう衝撃になる。
事実を突きつけられるというか、逃げようもない感じ。
そして、やはりこういう時に日頃他人とどう接しているかというのが出てくる気がする。
前の家の人にはうちも去年の大雪の時ひとかたならぬお世話になった。

近所付き合いとか人付き合い、人間関係ってホントに面倒くさいことなのだ。
でも、嫌々でもなんでもそれをやっている(つまりリアルをちゃんと実感している)人でないと
いざという時、すぐに一歩が出ないんじゃないだろうか。
イヤだからやらない、面倒くさいからやらない、ですむほど
やはり生きていくことは甘くないと思うね。

人は人をちゃんと見ている。
by quilitan | 2015-03-30 23:32 | 雑録 | Trackback | Comments(0)

猫と雑文ときどきお絵描き  


by quilitan
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