映画とか漫画とか

「ブラック・スワン」の映画レビューをつらつら覗いてみた。
私は面白く見たんだけど
バレエ映画ともホラーともサイコスリラーとも言えるような作りなので
評価が見事にばらけてる。
その中で、何人かが同じような表現を使っているのが引っ掛かった。

「この映画は30年前のバレエ漫画」(トゥシューズに画鋲の世界)
「これは少女漫画」

いずれも、バレエを実際にやっている人、
或いはバレエダンサーが身近にいる人のレビューで
評価は下。
曰く、『バレエはこんなもんじゃない。バレエを愚弄している』
確かにプロから見たらそうなのかもしれない。
憤るのはバレエへの愛ゆえでしょう。
そんなプロフェッショナルの厳しい眼を持つ人が
“まるで30年も前のバレエ漫画のように”バレエを貶めている!  と
蔑むものとして平気で他の表現手段を引き合いに出す。

  それに、トゥシューズに画鋲は30年前じゃない、40年以上前の漫画だ。
  その10年余の漫画の進歩はめざましい物があるんだけどなあ。



ただ、実を言えば私も「アラベスク・第二部」を彷彿とさせながら見ていたので
「少女漫画」という言い方を否定はしません。
むしろ、人間の考えることはあまり変わらないものなんだと
妙に感心したくらいです。

「男目線のエロいバレエ映画」ってのもあったけど
男の監督が撮ってるんだから男目線に決まっているじゃないか。
その道のプロから見たら、腹に据えかねる描写があったのかも知れないけど
それは「つまらない映画だった」といえばすむことだ。
これは、バレエのドキュメンタリーでも何でもなく
『映画』という表現手段を使った作品であって
「これを見てバレエを知った気にならないで」というのは
ちょっと違うんじゃないか。
バレエは題材であり、それを元に物語を作り、そして作品を創り上げる。
作品のリアルというのは「本物」のことじゃなくて
「本物らしく見える」こと。
バレエの映画だからってバレリーナを主役にすれば出来るという訳じゃない。
演じてナンボ、の世界です。


そもそも、映画や漫画を見ただけで
「あ、この世界ってこういうものなんだ」と分かった気になってしまうのは
作品の責任じゃない。
現実と虚構世界を区別できない方に問題があると思ってます。
トラックバックURL : https://kiliku.exblog.jp/tb/12673501
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by きゃるめら at 2011-05-28 22:01 x
今日、見に行ってきました。
少なくともバレエ映画とは見なくて
「あ、やだ、サイコホラーじゃん」でした(^_^;

今までバレエ映画は数多ありまして
決してバレエを愚弄せず、芸術として描かざるをえなかったのか
ぶっちゃけ映画としては面白くなかった。
いつまでも「赤い靴」じゃあるまいに。
たまたま素材がバレエだったというホラーでいいよね
エロくて怖くて面白かったし。
Commented by quilitan at 2011-05-28 23:10
まさにタイトルどおり、あの黒鳥の姿がこの映画のキモ!
そういう意味でぶれてない映画ですよねー。
by quilitan | 2011-05-28 00:34 | 考える | Trackback | Comments(2)

猫と雑文ときどきお絵描き  


by quilitan
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30