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二つのアスリート魂

フィギュアスケートNHK杯は、高橋大輔と浅田真央が金メダルに輝いた。
優勝することを期待され、それに堂々と応えたふたりの力に脱帽した大会でした。


高橋大輔の演技は見ていて鳥肌が立ちましたね。
前回のアメリカ大会では全く精彩を欠いていて
ああもう若手に追い抜かれて終わってしまうのかと思うくらいの出来だった。
そのことが「競技者」としての覚醒を促したかのように見事に挽回してみせた。
技術云々ではなく、自分がトップなんだという意地と自覚がきっちり滑りに表れていて
芯の通ったプログラムになっていたなあ。
他の追随を許さない技と表現の融合、月並みな言い方だけど感動しました。
これぞフィギュアスケート!という演技だった。


そして浅田真央。
アメリカ大会と今回と、まだミスもあるし調整途中の部分もあるけど
とりあえずオリンピックの出場権を得るまでは大事をとっていかないと・・・
というレベルで優勝してるんだよね。
ただ「オリンピックで金メダル」ではなくて
「自分の力を100%出し切って金メダル」。
到達点がとんでもないところにある。
同じアスリートではあるけれど、彼女は別の次元に入っている気がする。


自分の求める道を見出してそちらに踏み込んだな、と感じたのは
不調から立ち直りつつあった頃からか、インタビューの受け答えに迷いが消えたのに気付いたから。
それまでは質問に答えるときには必ずといっていいほど
「そうですね」という前置きがあったのが、まったくなくなったのだ。
それは、自分にとって考えなくてはならないことはもうない、
やるべきことははっきりしている、ということだ。
全身全霊をスケートに賭けているんだという強い意志が画面の向こうから響いてくる。
若干23歳の女性が、こうまで明瞭に自分の進む道を見据えている姿は美しいです。
その美しさで見るものを惹きつけるのが「浅田真央」というアスリートだと思うのです。


そんな強くて美しい姿を目に焼き付けながら
1本の矢を的に当てることもできず、また三段昇段お預けになってしまった
自分の勝負弱さが哀しいです。
あの集中力と精神力の欠片でも欲しいものだと思うのでありました。



それにしてもアメリカのグレーシー・ゴールドは
今の時代になんという古典的な白皙の美女か。
アシュリー・ワグナーと同じ系列のお人形さん顔で、戦前の映画女優みたい。
こんな、絵に描いたような美女っているんだなあ・・・・
個人的には、イタリアのマルケイ選手がよかった。
本物の色気というのはこういうものなんだ、と
どこかのボンドガールに教えてやりたいくらいでした。

ロシアのラジオノワはさすがによく飛び跳ね、動き回るけど
まあまだ14歳だからなあ・・・身体が細いのでちょっとプロポーションのバランスが悪い。
ただロシアの若い選手って1年見ないと驚くほど丸くなってます。
女子シングルはアクロバティックなことができる年齢を過ぎると
なかなか表舞台でトップに立てなくなっちゃいましたね。
最近はアイスダンスもあまり心惹かれるペアがいないので残念です。
by quilitan | 2013-11-10 20:07 | 雑録 | Trackback | Comments(0)

猫と雑文ときどきお絵描き  


by quilitan
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